広島県フライングディスク協会

フライングディスクとは


フライングディスクの歴史

フライングディスク(Flying Disc)とは,一般的には「フリスビー」の名称で親しまれているプラスチック製の玩具またはスポーツ用品のことです.「フリスビー」は登録商標なので,一般名称として「フライングディスク」と呼んでいます.

フライングディスクは,1940年代初頭に,アメリカの名門校エール大学の学生達がパイ皿を投げて遊んだことがルーツとなっています.当時、大学のキャンパス近くに「フリスビー・ベーカリー」というパイの老舗があり,学生達がそのパイの焼き皿を投げて遊び,それを「フリスビー」と呼んだと言われています.

その後,ロスアンゼルスのフレッド・モリス氏が,改良しプラスチック製のディスクを作成,「フライングソーサー」の商品名をつけて売り出しました.その後,フラフープで有名なワームオー社が権利を買い取り,おもちゃからスポーツへ発展させて行きました.

87年には第2のオリンピックといわれるワールドゲームスに正式加盟,89年から公開競技として実施されています.現在アメリカでは,500万人以上の愛好者がおり,31カ国に普及,オリンピック大会の競技種目に加入するための啓蒙活動が世界各地で行われています.国内では,大学スポーツを中心とした普及に加え文部省から「生涯スポーツ」の認定を受け広く一般に普及,現在愛好者は150万人となっています.また,120校を超える大学,高校の授業にも採用されています.

「フリスビー」というと,「あっ,あの犬がくわえるやつ」とか「よく公園や浜辺で投げているやつ」と思う方も多いですが,そのイメージは半分しか正解ではありません.現在,このフライングディスクを使った競技は多種にわたり,誰でも手軽に出来るレクリエーション性の高い種目から競技性の高い種目まであり,老若男女を問わず,誰でも楽しむことができます.

ディスクの基本的な投げ方

ディスクコントロールの原理

主な競技10種目

アルティメット

アルティメットとは,フライングディスクの全ての要素をチームプレーに集約した「究極のディスク競技」です.スピードと持久力,個人技術,攻守のチーム戦術,そして高い精神力が,ディスク独特の飛行感覚と一体になり,現代にふさわしいスリリングな競技になっています.

両端にエンドゾーンを持つ広いフィールドで1チーム7人の2チームが対戦,ディスクを空中にパスして進ませ,相手エンドゾーンでキャッチすれば得点となります.ディスクを持ったらパスをするだけ,持って歩いたり走ったりは出来ません.投げたディスクがフィールド内でキャッチ出来ずに地面に落ちたり,相手に空中で奪われたら,相手のディスクになります.ディスクの手渡しも認められません.身体接触も禁じられています.21点を先取したチームが勝者.

通常試合時間は2時間近くになります.また,フェアープレー精神にもとずき,選手が公正なプレーに責任を持つスポーツマンシップで試合が運営されるのも特徴で審判はおかず,競技規則は,選手がセルフジャッジを行います.

ディスタンス

ディスクを飛ばした距離(ディスタンス)を競う競技.定められたラインから落下地点までの飛距離を計測する.

アキュラシー

スローのコントロールの正確さ(アキュラシー)を競う競技.正面,左,右の3方向からディスクを28投投げ,1辺1.5メートルの正方形のターゲットを通過した投数を競う.

マキシマム・タイト・アロフト

投げてからキャッチまでの滞空時間を競う競技.風を最大限に利用するためには,吹いてくる方向に対して,10度から20度の角度で投げ,強風には低く,微風には高く角度をつけて投げます.

スロー・ラン・アンド・キャッチ

投げたディスクを出来るだけ遠くで自らキャッチする競技.高度な技術と走力が必要.世界記録は92メートル64センチ.

ダブルディスクコート

17メートル離れた,一辺が13メートルの正方形のコート2面に,2人1組の2チームが分かれ2枚のディスクを相手コートに投げ合って得点を競う競技.

相手がキャッチ出来ずに相手コート内にディスクが止まるか,相手の投げたディスクがアウト・オブ・バウンズに出た場合は1点.相手チームが2枚のディスクを同時に持った場合は2点を獲得します.

5点毎にコートを交換.予選は21点1ゲーム制.決勝は15点5ゲーム制.

ガッツ

対面した5人ずつの2チームが,ディスクを交互に14メートル離れた相手のスコアリングゾーンに投げあい,相手が片手でキャッチ出来なかった時,また相手のスローが5人の手の届かない所を通過した時等に1点獲得する,得点を競うチーム競技です.

競技場は男子は14メートル(女子は13メートル)離した平行な15メートルのライン(スロー・チームにとってはファールライン,レシーブ・チームにとってはゴールライン)があるフィールド.

ディスク・フリップ(投げた2枚のディスクが同じサイドを出すか否かを選択)で勝ったチームが,スローをするか,守るコートを選ぶかを選択.スローを選んだチームは,任意にディスクを投げる1人のスローワーを決定.スローワーが自チームのファールラインの手前から投げ,地面に接せずに,地面との角度が直角以下で,レシーブチームのスコアリング・ゾーンにディスクが達した場合のスローをグッドスローと呼ぶ.グッドスローをレシーブ・チームがクリーンキャッチ(ディスクに身体の2ヶ所が同時に触れることなく,片手でキャッチ)出来なかった場合,スロー・チームの得点となる.ただし,ファールラインを越して投げたら無得点.数人が触れた後のキャッチも片手でディスクを静止させればキャッチである.

グッドスローでない場合は,レシーブ・チームの得点となる.スコアリング・ゾーンは,ゴールライン上で地面に平行にのばした両手が接しあう間隔で並んだレシーブ・チームの5人が普通に手を伸ばせば届く範囲.

レシーブ・チームはスローがリリースされるまで動いてはならない.1ゲーム21点制,20対20になると2点差がつくまで延長する.通常3ゲーム中2ゲーム先取で勝者を決定.試合全般の規則判定は選手が行う.

ディスカソン

起伏に富み,草地や樹木の茂みがあり,しかも20〜30箇所の通過ポイントのある約1キロメートルのコースを,2枚のディスクを交互に投げて進ませる競技.10種目の内一番新しく開始された競技.投げる技術,走力,持久力が必要で,ディスクのマラソンの意味を込めた競技名です.

ディスクゴルフ

通常18ホールが連続してあるコースで「ポール・ホール」にディスクを入れるまでのスロー数の少なさを競う競技.競技規則はゴルフに類似している.ディスタンスの遠投力,アキュラシーのコントロールを複合的に生かすとともに,コースの進み方,パットにおける集中力等メンタルな技術も必要.自然環境に親しみ,肉体的な消耗も激しくなく,しかもグループで楽しく社交しながらプレー出来るので,生涯スポーツ・3世代スポーツとして広く普及してきました.

ディスクの使用枚数には制限がなく「ドライバー」「アプローチ」「パット」と3種類のディスクを使い分けるプレーヤーも多い.

フリースタイル

ディスクを用いた自由演技.1枚または複数のディスクを用いて,音楽にあわせて規定時間内に投げたりキャッチしたり演技をいれたりする自由演技を競う競技です.1人及び2〜3人のチーム部門があります.ディスク以外の小道具の使用も認められ,新体操の自由演技に似ています.